ちょっと一人旅なんぞに出かけてみたわけさ

去る12月2日、1泊2日で初の一人旅に行ってきました。
前々から行こうかなどうしようかなとダラダラ考えてはいたのですが、火曜日に「よし!今週末出かけよう!」と突然思い立ち、宿を探して予約してしまいました。しかもなかなか空いてる所が無く実際予約できたのは木曜なので、行き先が決まったのは2日前という実におれらしい行き当たりばったりな旅になってしまいました。人のことは言えないけれど、こんな中途半端な時期に旅行しようって人が結構いるものなのですねえ。3軒も断られてしまったよ。

さて、行き先はというと福島の塩沢温泉。ってどこやねん状態なのでとりあえずネットでルート検索。大岡山から郡山のさらに先にある二本松なる駅まで実に5時間半の長旅です(そこから更にバスorタクシー)。大岡山7:39の大井町行きに乗ればスムーズに乗り継いで13時過ぎには二本松駅に着けるとのこと。早起きするので前日は早めに寝ました。

当日の朝。寝坊することもなく予定通りに起きて準備をし、さあ、出発。大岡山駅構内の「Froment D'or」で朝食のパンを買い、ホームへの階段を降りていたら、あれ?大井町線が出て行くところです。しまった、パン選びに時間掛けすぎた。でもまあ13時着というのはちょっと早目だったので予定通りの電車に乗れなくてもルートが分かってればいいか。後に田舎ダイヤの恐ろしさを思い知り後悔することになるとはこの時は夢にも思っていませんでした。

大井町で乗り換え、京浜東北線で上野まではまだまだ縄張り内。上野で宇都宮行きに乗った所から旅気分が盛り上がってきます。フツーの通勤電車みたいな車両なのですが、わざわざ鈍行で行くからには車窓風景を楽しみたいので数少ない(ただしトイレ正面)ボックス席をゲットします。

出発するとすぐに埼玉。やっぱり埼玉ってイナカだなあなどと思いながら流れていく景色を眺めたり前日購入しておいた小説を読んだり。新幹線などと違ってオンボロ鈍行列車は揺れが激しいので休み休み読んでないとちょっと酔いそうでした。それにしても埼玉って広いね。どこまでいっても埼玉。香川とエライ違いだ。

宇都宮ではスムーズに乗り継ぎができました。次は黒磯行きです。宇都宮駅はデカイし周辺もちょっと街っぽいんだけど出発するとすぐに「イナカ」な風景に戻ります。朝早かったのでウトウトしたりしてるうちにホンの1時間ほどで黒磯に着きます。

次は郡山行きに乗り換え。時刻表を見ると、ん?数分前に出たばっか?次は・・・1時間後・・・。ちょっとくらい待っててくれたっていいじゃん(怒) でもまあ丁度お昼時だしメシでも食ってくか、と気持ちを切り替え途中下車することにしました。

駅を出てメインストリートらしき通りを歩いてみたのですが、何も無い!笑っちゃうくらい何も無い!土産物屋と酒屋(何故か2軒も)くらいなもので、シーズンじゃないのか閉まっている店も多々あります。食べるところが見つからないまま店すら無くなってきたので仕方なく引き返すことにしました。

途方に暮れて歩いていると横道に少し入ったところにCafe Restaurantの文字が!神はオレを見捨ててはいなかったぜ。近づくとイイカンジの古めかしい石造りの洋館です。入ってみると更にイイカンジ。高い天井ではファンがゆっくり回っていて、レコードがいっぱい詰まったラックの上のスピーカーからはジャズが流れています。結構広いのにたった6テーブルしかなく(他にカウンター席もある)、すごくゆったりしていました。うーん、上手く説明できないな。写真を撮りたかったけど店内で撮るのは恥ずかしかったので外観だけ撮ってきました。美味しいペペロンチーノのランチを食べて挽き立てのコーヒーを飲み、ちょっと優雅な気分を味わうことができました。気に入った。あんなお店近所に1軒欲しいな。「CAFE DE GRAND-BOIS」ってお店です。皆さんも黒磯に行く機会があればぜひ。って誰も行かないか。
ちなみにおれはマッチをもらうのが好きなので「さぞかしカッコイイマッチだろう」と思って聞いてみたら、「ライターならあるんですけど・・・」とショボイ紙にゴム印で店名、手書きで電話番号を書いて普通の100円ライターに貼りつけただけのものをくれました。がっかり。

なんとか時間もつぶせて電車に乗り込み黒磯で買ったビールを飲みながら(まっ昼間っから好きだねえ、我ながら)1時間ほどで郡山に。 到着すると乗客たちが他のホームへと急ぎ足で移動していきます。おれも流れに乗ってそのホームへ行くと、その電車は「仙台行き」。時刻表など見ずネットだけで調べて「福島行き」に乗ればいいと思っていたので「仙台行き」が果たして同じルートを行くのか分かりません。関東以北は「北の方」としか認識してないおれには地理的配置も分かりません(西の人間はそんなもんです。東の人も四国や九州の県の配置分からない人結構いるでしょ?)。てゆーか、ホントはあまり深く考えもせず「仙台行き」は見送りました。なぜなら隣りのホームに「福島行き」が待っていたのです。
で、正解はと言うと「仙台行き」に乗るべきだったんですね。しかもそのすぐ後に「福島行き」の出発は約1時間後だということが判明します。トホホ。またウロウロする気力もないし、駅を出てもきっと何も無いよ。結局、電車の中で本読んでました。何やってんだか。

1時間も待たされてようやく電車が出発すると、たった20分ほどで目的地二本松駅に着いてしまいます。ひじょーにムダが多いぞ。自業自得だけど。 さあこれで電車の旅は終わり、後はバスに乗って終点が宿の真ん前のはずです。
どこから何行きに乗ればいいかよく分からなかったので駅の売店のおばさんに聞くと親切丁寧に教えてくれました。「えーと、次の便はねえ・・・3時45分ですよ」・・・そ、それって約1時間後ってことですか・・・。ここで更に1時間待つ気力は残っていませんでした。仕方なくタクシーで宿へ。20分ほどで到着。料金は約3,500也。大岡山から二本松まで4000円強で来ておいてここでこの出費かよ。帰りは必ずバスで帰るぞと心に固く誓ったのでした。

福島と言うともうすっごい寒そうな気がして、覚悟して厚着もして行ったのですがいざ二本松駅に降り立ってみると天気が良かったせいもあるのか東京と変わらない感じでした。拍子抜けしてタクシーに乗り込んだのですが宿に着いてタクシーを出たら、「うわっ、さぶっ!」。20分ほど車に乗っただけなのに全然空気が違うぞオイ。玄関前の地面凍ってるし。意外と高い場所だったのかねえ。

宿はかなり古いです。ボロいと言うと怒られるか。さすが安かっただけのことはある。でもこんなもんだろうと思ってたし、ボロくても汚い感じはしなくて全然おっけー。むしろひなびた感じがいいね。部屋に通されると、広い!こんな広いところに1人はもったいないよ。部屋は10畳。プラス窓際のスペースには掘りごたつまである。明かりから遠くて結局使わなかったけど。専用のトイレまでついてるぜ。4人家族で丁度いいくらいのスペースにたった1人で、しかも1人利用の追加料金も無しなんてなんか申し訳無いくらいです。客が少なくてガラガラだったので泊まってくれるだけでもありがたいんでしょうね。

腰を落ち着けちゃうとめんどくさくなっちゃうので荷物を置いたらすぐ散策に。すぐそばに渓流が流れているのです。ちょこちょこと写真を撮りましたがやっぱ難しいね。目で見るとすごくいい風景なんだけど悲しいかなカメラのあの小さな枠に切り取るセンスが無いのです。
渓流の方へ行こうとすると露天風呂が丸見えでした。その時は男性用だったのですが入替え制なので女性も丸見えになっちゃうよ。ちなみにおれが見たときはおっさんが仁王立ちしてました。見たくねえっつーの。
歩いてほんの1分ほどでスキー場がありました。これからの季節のスキー客がメインなんでしょうね。上のほうにはちょびっとだけですが雪がありました。

暗くなってきたので部屋に戻り、しばし読書の時間。夕食は6時からでした。団体客は宴会場のようですがおれは広い食堂でぽつんと1人だけの食事。料理は不味くもなく、かといってさほど美味いわけでもなく、まあこんなもんでしょといった感じ。味にうるさい人なら不満かも。でも量は多くて全部食ったら苦しいくらいでした。いやぁあんなにメシ食ったのは久しぶりだ。食堂のおばさんが東京にいた人で「何にも無いところでテレビ見るくらいしかやることがないんだけど、そのテレビも3局(NHK、教育、フジ系列)しか映らないんだよね。どうしようもないよ」とグチっていました。おれも住むのはやだな。

食い過ぎで苦しくてすぐに風呂はムリだったのでまたしばらく読書して(こんなにまとめて読書したのはいつ以来だろう)、9時過ぎに風呂に行きました。夕方頃から感じていたのですが、ここにいると夜の時間感覚が3時間ほど早いようでした。まだ9時なのにもう真夜中のような感じがします。風呂に行くと誰もいなくて貸切状態でした。内側は檜風呂と岩風呂。その時は檜風呂が男湯でした。奥のドアから出ると露天風呂があってそれは一つが真中で仕切られた形になっています。やっぱ露天はいいねえ。渓流の音を聞きながら満天の星空を見上げてゆったり風呂につかってるとサイコーの気分でした。

ポカポカにあったまって部屋に戻ると10時。翌日早朝にまた風呂に行こうと目論んでいたのですぐ寝ることにしました。10時に寝るなんて東京での生活の中ではあり得ないな。

翌朝6時起床。と言ってもすぐに起き出せるわけもなくうだうだしてたら20分くらい過ぎてしまったんですが、なんとか気力を振り絞ってお風呂へ。今度は岩風呂が男湯になっていました。上手い具合に両方入ることができました。でもやっぱりメインは露天風呂。外に出ると昨夜より一段と寒くなっていて急いで駆けていって飛び込むように風呂に入りました。だんだん明るくなってくる空と山並みを眺めながらまたゆったり。今日もいい天気になりそうだ。やっぱ露天風呂サイコー。前日もこの日も露天風呂一人占めでした。やっぱり旅行するならオフシーズンに限りますね。

朝食は8時からやはり昨日の食堂で。朝はみんな食堂で食べるらしく、ぱらぱらと集まってきてました。でもやっぱ少ない。カップルか若夫婦らしき二人連れとあとはオッサンたちの団体客だけ。
夕食同様、品揃えは充実。内容は普通なので朝定をいくつも頼んだような状態でした。おかずに合わせてメシを食ってるとどうしても食べ過ぎちゃいます。 結局前夜ほどではないけれど苦しくなるくらい食べました。

実はこの時点で既に着替え終わって荷物もまとめています。チェックアウトは10時までなのにもかかわらず。なぜなら帰りのバスが8時半なのです!しかもその次は12時過ぎ・・・。どう考えてもチェックアウト後2時間も時間をつぶせるとは思えない。かと言って二度とタクシーを使う気にもならない。くそぉ、あれは絶対タクシー会社の策略だ!
仕方なく大急ぎで朝食を掻き込み部屋へ。荷物はちゃんと持った忘れ物は無い。よしおっけーれっつごー。悠々セーフで会計を済ませ目の前のバス停へ向かいました。「さぶいっ」。朝はまた一段と寒いよ。厚着しすぎたかと思っていた服装がムダではなかったことを知ったのでした。しかもバス遅れて来るし。あー寒かった。

タクシーはぶいぶいトバしてあっという間だった道のりもバスはとことこのんびり走っていきます。行きと違って帰りは田舎の風景を十分楽しむことができました。

バスは40分ほどで二本松駅前に着きます。さあ電車は何分かな?・・・また例によって出たばっか、次はやっぱり1時間後。いいかげんにしてくれぇー。 しかもこの二本松と言うところ、黒磯以上に何も無い。どっかでお茶をと思っても喫茶店すら無い。コンビニがあるけどここまで来て立ち読みもなんかちょっとアレだよなあ。とりあえず通りを歩いてみることにしました。しかし行けども行けども時間をつぶせそうな場所は無い。通りの端まで歩いて戻ってきました。お茶するところくらいあってもいいじゃんかよぉ。結局残りの時間は駅の待合室で本を読んでました。オイオイまだまだ道のりは長いのに本読み終わっちゃうよ。予備なんて持ってきてないよ。

ココからはサクサク進みます。郡山、黒磯でも行きと違って乗り継ぎ良く、少しウトウトなどしてるうちに宇都宮に着いてしまいました。ここまで来ると便数も格段に多くなります。丁度お昼時ですし途中下車してみることにしました。しかし昼食のほかに実はもう一つ重要な目的があったのです。それはかの有名な(?)「餃子の像」を撮影することです!ふふふふ。ちゃんと撮影できましたよ。てゆーか、ショボっ。まあいいや目的は達成されたぜ。メシは適当に駅構内の喫茶店みたいなところで済ませて上野行きの電車に乗り込みました。

後は3時間ほどで上野に到着。旅も終わりです。と思ったら最後に大きな試練があった。乗客も少なかったので一人で贅沢に席を陣取っていたのですが途中から乗り込んできた中東系らしき外国人4人に取り囲まれるようにして座られてしまいました。いや別に外国人を差別するわけじゃないんです。ただうるさいのとオーバーアクションで大暴れしながらしゃべるのとそして何より、クサイのは勘弁してください。ああ鼻曲がるかと思った。なんでだろう食うモンが違うから体臭も違うのか?結局予定変更して大宮で埼京線に乗り換えました。なんだか最後の最後にけちがついてしまったなあ。

そんなこんなで初めての一人旅は終わり。ゆっくり休む間もなく翌日から早速仕事なのでちょっと憂鬱になりながら一日ぶりの我が家で眠りについたのでした。




旅の写真

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